人が色を知覚するのは、光と目による相互作用です。色の違いは物理学的な測定値がありますが、同時に色は人に感情的な作用も起こします。
詳しい色の解析や理論ではなく、色が人に影響を与える感情面について考えました。
私たちは生活のさまざまなシーンで、色に例えて感情や様子を伝えます。
色に例えることにより、よりリアルに情景や気持ちを伝えることができでしょう。
・真っ赤になる
・真っ青になる
・黄色い声
・腹黒い奴
・真っ赤な嘘
・ケツが青い
・青二才
・赤っ恥をかく
・顔面蒼白になる
また 私たちは色に対して個人的な嗜好を持っています。多くの人に好まれる色もあれば、あまり好かれない色もあるでしょう。そしてその好き嫌いは、過去の経験やすり込みなどがベースとなった無意識からの感情が多いと言われています。色から生じる感情的な作用を生活に生かすこともできます。
私は なぜか「緑」という色に強く惹かれます。
日本人は古来一つの色に多くの種類(段階)の名称を持った民族です。それらの名称は固有色を指すとともに、それに伴う気持や感情も継承しています。
緑色にもその色味によって数多くの言葉があります。
苔色(こけいろ) 濃い黒みの萌黄色
萌木(もえぎいろ) やや黄色みを帯びた緑色
深緑(ふかみどり) 緑の濃い状態を表す
木賊色(とくさいろ) 青黒い萌黄色
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| 井の頭公園の緑 |
真夏に作られる「緑のシェード」という蔦植物を使って作る日除けがあります。緑の葉の間からキラキラと木漏れ日がさし、葉の重なりによって淡い若葉のような緑色になったり、葉が何枚も重なることで深い緑色になったりする様が、目にも心にも安らぎを与えてくれます。
他にも緑の植物を用いた塀や壁など、今では植物はいろいろな場に用いられ活用されています。マンションのベランダや狭い所でもプランターで育てることも出来、緑のシェードは猛暑の強い日差しを防いでくれます。ゴーヤやヘチマなどで作れば美味しく収穫もできます。
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| 根津美術館エントランスの竹塀 |
今は 新型コロナウイルスの猛威にさらされて、心にも余裕がなくなっている気がします。緑色の持つ目にも心にも、安らぎを感じさせてくれる感情面の作用に期待したいと思います。
参考:大辞林 三省堂

