2020年8月10日月曜日

色と気持ち

私たちは さまざまな自然の色に取りかこまれています。
人が色を知覚するのは、光と目による相互作用です。色の違いは物理学的な測定値がありますが、同時に色は人に感情的な作用も起こします。
詳しい色の解析や理論ではなく、色が人に影響を与える感情面について考えました。

私たちは生活のさまざまなシーンで、色に例えて感情や様子を伝えます。
色に例えることにより、よりリアルに情景や気持ちを伝えることができでしょう。

 ・真っ赤になる
 ・真っ青になる
 ・黄色
 ・腹黒い
 ・真っ赤な嘘
 ・ケツが青い
 ・二才
 ・赤っ恥をかく
 ・顔面蒼白になる



また 私たちは色に対して個人的な嗜好を持っています。多くの人に好まれる色もあれば、あまり好かれない色もあるでしょう。そしてその好き嫌いは、過去の経験やすり込みなどがベースとなった無意識からの感情が多いと言われています。色から生じる感情的な作用を生活に生かすこともできます。


私は なぜか「緑」という色に強く惹かれます。

日本人は古来一つの色に多くの種類(段階)の名称を持った民族です。それらの名称は固有色を指すとともに、それに伴う気持や感情も継承しています。

緑色にもその色味によって数多くの言葉があります。

浅葱色(あさぎいろ)  わずかに緑色を帯びた薄い青
苔色こけいろ)    濃い黒みの萌黄色
萌木(もえぎいろ)   やや黄色みを帯びた緑色
深緑(ふかみどり)   緑の濃い状態を表す 
木賊色(とくさいろ)  青黒い萌黄色 

どの色味の緑色にも多くの人が感じる感情は、気持が落ち着く、安らぐ、清々しい‥‥ などの気持ちを抱くことが多いと思います。


井の頭公園の緑


真夏に作られる「緑のシェード」という蔦植物を使って作る日除けがあります。緑の葉の間からキラキラと木漏れ日がさし、葉の重なりによって淡い若葉のような緑色になったり、葉が何枚も重なることで深い緑色になったりする様が、目にも心にも安らぎを与えてくれます。

他にも緑の植物を用いた塀や壁など、今では植物はいろいろな場に用いられ活用されています。マンションのベランダや狭い所でもプランターで育てることも出来、緑のシェードは猛暑の強い日差しを防いでくれます。ゴーヤやヘチマなどで作れば美味しく収穫もできます。

根津美術館エントランスの竹塀


今は 新型コロナウイルスの猛威にさらされて、心にも余裕がなくなっている気がします。緑色の持つ目にも心にも、安らぎを感じさせてくれる感情面の作用に期待したいと思います。





参考:大辞林 三省堂








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